遺留分侵害額請求
こんにちは
大崎上島町出身、東広島市在住司法書士の小田部です。
みなさん、親や兄弟等が亡くなって自分自身が相続の当事者となった場合に、ネット等で相続について調べたり、司法書士等の専門家に相談されると思いますが、その際に必ずといっていいほど目にしたり耳にする言葉が「遺留分」だと思います。
これは、相続人にとって最低限法律によって保障される遺産の取得割合であり、遺留分の割合というのは以下のようになります。(ちなみに、子や直系尊属がいない場合は、兄弟姉妹が相続人となりますが、この兄弟姉妹には遺留分は認められていません。)
相続人が、
配偶者と子の場合 → 配偶者1/4 ・ 子1/4
配偶者と直系尊属の場合 → 配偶者1/3 ・ 直系尊属1/6
配偶者と兄弟姉妹の場合 → 配偶者1/2 ・ 兄弟姉妹に遺留分は無い
この「遺留分」、相続人が遺産分割協議によって遺産分けをする場合には問題にはなりません。問題になるのは、例えば亡くなった人(被相続人)が「全財産を○○に相続させる。」といった遺言を遺していたような場合です。
例として、被相続人をA、相続人を配偶者B、子Cとした場合に、Aが「Bに全財産を相続させる。」遺言を遺していると、遺言どおりの内容ではCは一切の遺産を取得できないと思われますが、こういった場合に、Cは遺産を取得することになるBに対して、遺留分として1/4の割合の遺産の取得を請求することができます。
そうなると、BはCに対して、「金銭」によって1/4の割合の遺産を返還しなければならないのです。
これを「遺留分侵害額請求」というのですが、令和元年に改正民法が施行される前は「遺留分減殺請求」と言われており、当時は返還する遺産も「金銭」のみという制限はありませんでした。他に不動産や有価証券等の遺産があれば、これらをもって返還に充てることができたのです。
ただ、現在は改正民法の施行により、遺留分侵害額請求を受けたBは、Cに返還するための「金銭」を工面しなければなりません。遺産に占める割合の多くが「金銭」であれば工面をするのも容易なのですが、遺産が不動産しかないような場合には、当該不動産を売却してお金に変える必要性に迫られることもあります。
もちろん、当事者の合意があれば金銭以外での精算も可能なのでしょうが、そのような場合どうやら税金の問題が発生するみたいですね。私は税理士ではないので税金の話は深堀りできませんが(^^;
今後は遺留分対策として、生命保険が活用されたりするんだろうなと思うと同時に、遺言書を作成する際には、遺される家族(相続人)への配慮が今まで以上に必要になってくるんだろうなと感じたところです。
大崎上島町出身、東広島市在住司法書士の小田部です。
みなさん、親や兄弟等が亡くなって自分自身が相続の当事者となった場合に、ネット等で相続について調べたり、司法書士等の専門家に相談されると思いますが、その際に必ずといっていいほど目にしたり耳にする言葉が「遺留分」だと思います。
これは、相続人にとって最低限法律によって保障される遺産の取得割合であり、遺留分の割合というのは以下のようになります。(ちなみに、子や直系尊属がいない場合は、兄弟姉妹が相続人となりますが、この兄弟姉妹には遺留分は認められていません。)
相続人が、
配偶者と子の場合 → 配偶者1/4 ・ 子1/4
配偶者と直系尊属の場合 → 配偶者1/3 ・ 直系尊属1/6
配偶者と兄弟姉妹の場合 → 配偶者1/2 ・ 兄弟姉妹に遺留分は無い
この「遺留分」、相続人が遺産分割協議によって遺産分けをする場合には問題にはなりません。問題になるのは、例えば亡くなった人(被相続人)が「全財産を○○に相続させる。」といった遺言を遺していたような場合です。
例として、被相続人をA、相続人を配偶者B、子Cとした場合に、Aが「Bに全財産を相続させる。」遺言を遺していると、遺言どおりの内容ではCは一切の遺産を取得できないと思われますが、こういった場合に、Cは遺産を取得することになるBに対して、遺留分として1/4の割合の遺産の取得を請求することができます。
そうなると、BはCに対して、「金銭」によって1/4の割合の遺産を返還しなければならないのです。
これを「遺留分侵害額請求」というのですが、令和元年に改正民法が施行される前は「遺留分減殺請求」と言われており、当時は返還する遺産も「金銭」のみという制限はありませんでした。他に不動産や有価証券等の遺産があれば、これらをもって返還に充てることができたのです。
ただ、現在は改正民法の施行により、遺留分侵害額請求を受けたBは、Cに返還するための「金銭」を工面しなければなりません。遺産に占める割合の多くが「金銭」であれば工面をするのも容易なのですが、遺産が不動産しかないような場合には、当該不動産を売却してお金に変える必要性に迫られることもあります。
もちろん、当事者の合意があれば金銭以外での精算も可能なのでしょうが、そのような場合どうやら税金の問題が発生するみたいですね。私は税理士ではないので税金の話は深堀りできませんが(^^;
今後は遺留分対策として、生命保険が活用されたりするんだろうなと思うと同時に、遺言書を作成する際には、遺される家族(相続人)への配慮が今まで以上に必要になってくるんだろうなと感じたところです。
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