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所有者不明土地の解消に向けて➂    -土地・建物に特化した財産管理制度の創設-

こんにちは。
大崎上島町出身、東広島市在住司法書士の小田部です。

本日は、所有者不明土地の解消に向けて➂です。

☆ 相続土地国庫帰属制度(令和5年4月1日施行) ☆


所有者が不明であったり、管理不全状態にある土地・建物は、公共事業や民間取引の障害になるなどの影響を及ぼしますが、こういった土地・建物の効率的な管理を実現するための財産管理制度が創設されました。
この制度には、「所有者不明土地・建物の管理制度」と「管理不全状態にある土地・建物の管理制度」があります。

➊ 所有者不明土地・建物の管理制度
これは、調査を尽くしてものその所有者が分からない場合や、所有者が分かってもその所在が分からない場合に、その土地・建物の管理を行う管理人を選任することができる制度です。
管理人は、利害関係人が地方裁判所に申し立てることによって選任されます。管理人には事案に応じて、弁護士や司法書士などのふさわしい者が選任される予定です。

申立てることができる「利害関係人」というのは、公共事業の実施者など、当該土地・建物の利用や取得を希望する人や、共有土地・建物の場合における不明共有者以外の共有者を言います。

管理人は、裁判所の許可を得ることで所有者不明土地の売却などを行うことができます。

➋ 管理不全状態にある土地・建物の管理制度
これは、所有者による管理が不適当であることで、他人の権利や法的利益が侵害され又はそのおそれがある場合に、その土地・建物の管理を行う管理人を選任することができる制度です。
管理人の選任方法などについては、所有者不明土地・建物の管理制度と同様です。

申立てることができる「利害関係人」というのは、ひび割れや破損によって倒壊のおそれが生じている建物の隣地所有者や、ゴミの不法投棄が放置されていることによって臭気や害虫発生などによる被害を受けている人などを言います。

管理人は、ひび割れや破損が生じている擁壁の補修工事や、ゴミの撤去・害虫の駆除を行います。

ちなみにこの管理制度によって、たびたびテレビ等で報道されるゴミ屋敷問題にも対応できるのではと思ってしまいそうですが、ゴミ屋敷のゴミは所有者本人のものであって、そのゴミは所有者の財産であるとみなされることから、撤去はこの制度では無理そうですね(^^;
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